AIで絵本を作る方法
はじめに:AIで絵本を作る時代へようこそ
かつて絵本を作るというと、作家や画家、編集者など専門的なスキルと多くの時間が必要なものでした。でも今では、AIの進化によって、誰でも気軽に絵本を作れる時代になりました。アイデアさえあれば、ストーリーはAIに書いてもらい、絵もAIが描いてくれます。さらに、デザインツールや印刷サービスを使えば、自分だけのオリジナル絵本を完成させることができます。
この記事では、AIを活用して絵本を作る具体的なステップをわかりやすく解説していきます。これから絵本づくりを始めたい方、親子で楽しみながら作品を作りたい方、あるいは副業としてデジタル絵本を販売してみたい方にも役立つ内容です。
ステップ① 絵本のテーマとストーリーを考える
まずは「どんな絵本を作りたいか」をイメージしてみましょう。
子ども向けの冒険もの?心がほっこりする日常のお話?教育的な内容を盛り込んだ知育絵本?テーマを決めることで、AIに伝える指示(プロンプト)も明確になります。
たとえば、「5歳の子ども向けに、うさぎが月を目指して旅をする冒険ファンタジー」といったように、対象年齢、登場キャラクター、舞台、メッセージ性などを整理しておくとスムーズです。
この段階では、紙にメモするだけでもOK。あとからAIにうまく伝えるための土台になるので、なるべく具体的に考えてみましょう。
ステップ② ChatGPTでストーリーを自動生成する方法
テーマが決まったら、いよいよストーリー作り。ここで活躍するのが、ChatGPTなどのAIライティングツールです。
たとえば、次のようなプロンプトを使ってみましょう。
「5歳の子ども向けに、やさしい言葉で、うさぎが月に向かって旅をするお話を考えてください。セリフも入れてください。」
すると、ChatGPTは数秒であたたかみのあるお話を生成してくれます。もちろん、出てきた文章をそのまま使うのもOKですが、「もう少し冒険っぽく」「登場キャラをネコに変えて」などと追加で指示を出せば、どんどん自分好みのストーリーに近づいていきます。
AIにすべてを任せるのではなく、自分の意見や感性を少しずつ加えていくのが、理想の絵本作りのコツです。
ステップ③ 絵本のイラストをAIで作るには?
ストーリーができたら、次は絵の制作です。ここでもAIが大活躍します。
代表的な画像生成AIには以下のようなものがあります。
Midjourney
最も人気のあるAI画像生成ツールの一つで、独自のスタイルで高品質なアートを生み出します。ディスコード上で操作するため、最初はやや難しく感じるかもしれませんが、慣れれば豊かな表現力に驚くはずです。
Stable Diffusion
無料で使えるオープンソースの画像生成AI。自分のPCで動かせるため、自由度が高く、カスタマイズ性に優れています。自分の作風にこだわりたい人におすすめです。
Bing Image Creator
Microsoftが提供する無料のAI画像生成ツール。操作が簡単で初心者にも使いやすく、ChatGPTと連携してプロンプトを工夫しながらイラストを生成することができます。
プロンプトには、描きたい場面やキャラクター、色合い、雰囲気などを具体的に入力すると、思い通りのイラストが出てきやすくなります。
ステップ④ 文章とイラストを組み合わせるツール
ストーリーとイラストがそろったら、次はそれらを組み合わせてページとして仕上げていきます。ここでは以下のようなツールが活躍します。
Canva
テンプレートが豊富で直感的に操作できるデザインツール。日本語フォントも充実しており、絵本づくりにぴったりです。
PowerPoint・Googleスライド
スライド形式でページを構成できるため、絵本のレイアウト作りが簡単です。後からPDFにも変換しやすいのが特徴です。
Notion
少し変わった方法ですが、Notionを使えばシンプルで洗練されたデジタル絵本も作成できます。ブログ形式で公開するのもアリです。
これらのツールを使って、1ページごとに「イラスト+文章」の形で構成していけば、あっという間に絵本の骨組みが完成します。
ステップ⑤ 絵本をPDFやデジタルブックとして仕上げる方法
デザインが終わったら、いよいよ仕上げです。CanvaやPowerPoint、Googleスライドでは、そのままPDFとしてエクスポートすることができます。
PDFにすることで、自分用として保存したり、電子書籍として配布・販売したりすることが可能になります。例えば、以下のようなサービスを活用できます。
- BOOTH(創作物の販売サイト)
- note(ブログ+販売機能)
- Amazon Kindle Direct Publishing(電子書籍の出版)
また、PDFをオンラインで閲覧可能な「デジタルブック」に変換できる無料サービスもあります。URLで共有できるので、友人や家族に見せたいときに便利です。
ステップ⑥ 絵本を印刷したい場合のおすすめサービス
「やっぱり紙で絵本にしたい!」という方には、印刷サービスの利用がおすすめです。以下は日本国内でも人気のあるサービスです。
- Photoback(フォトバック):おしゃれなフォトブック形式で、絵本風にもぴったり
- しまうまプリント:リーズナブルで簡単、少部数でも印刷できる
- noteやZINEの冊子印刷:手作り感あるZINEスタイルでの発行も可能
1冊から作れるところも多いので、まずは試しに1冊作ってみると良いでしょう。
応用編:音声読み上げ・アニメーション化もAIで可能?
実は絵本は「読む」だけではありません。最近ではAIで音声をつけたり、アニメーション化したりすることもできます。
たとえば、音読さんやCoeFontといったサービスを使えば、AIナレーションで絵本を読み上げてもらうことができます。声の種類も豊富で、子ども向けの柔らかい声も選べます。
また、アニメーション生成AI(Runwayなど)を使えば、イラストに動きをつけて簡単な動画絵本にすることも可能です。YouTubeで公開すれば、世界中の子どもたちに見てもらうことも夢ではありません。
中学生や親子での絵本制作にもおすすめ!教育的な活用法
AI絵本づくりは、単なる遊びではなく、学びのツールとしても優秀です。
中学生なら、物語の構成力、AIの活用スキル、表現力などが育ちます。親子で一緒に作れば、コミュニケーションも深まりますし、子どもが自分の考えを表現する良い機会になります。
特に夏休みの自由研究や学校の課題としてもぴったり。完成した絵本は記念にもなりますし、SNSやLINEでシェアすれば、多くの人に読んでもらうこともできます。
まとめ:AIで広がる絵本の世界
AIの力を借りれば、誰でも気軽に「絵本作家」になれる時代が来ています。文章づくりが苦手でも、絵が描けなくても大丈夫。あなたのアイデアがあれば、AIが素敵な作品に仕上げてくれます。
一度作ってみれば、その手軽さと楽しさに驚くはずです。ぜひ、あなたも今日からAI絵本づくりにチャレンジしてみてください。新しい表現の扉が、きっとそこに開かれています。